表情は、顔の表情筋の収縮によってつくられる。
その表情筋は抗重力筋なのだ。
抗重力筋とは、その名のとおり、重力がかかるとそれに抵抗して収縮しようとする筋肉で、下肢や背中の筋肉がその代表例として知られているが、咬筋や上眼瞼挙筋もその抗重力筋なのです。
咬筋は下顎を引っ張りあげて口を閉じる働きをする。
寝ていたのでは重力は働かないが、座ると重力がかかり、これに抗して収縮しようとする。
上眼瞼挙筋は上のまぶたを引き上げ、目を開く。
これも、寝ていては重力はかからないが、座ると重力がかかる。
そこでAさんは座ると、開いていた口が閉じ、眼を開けたのです。
表情が出る、というのは、この2つの筋を代表とする表情筋がちゃんと収縮しているということなのだ。
逆に、寝ている人は、表情筋力が弛緩しているために、あんなポーッとした表情になっているのです。